「売れない土地」には、たいてい理由がある
不動産会社に相談しても反応が薄い、査定すら断られる。そんな土地には、共通する原因がいくつかあります。まず自分の土地がどのパターンに当てはまるかを知ることが、対処法を選ぶ第一歩です。
売れにくい土地によくある5つの理由
1. 私道に面している
接している道路が私道(個人や複数人が所有する道路)の場合、通行・掘削の承諾書が必要になったり、再建築の可否が複雑になったりして、買主が敬遠しがちです。私道の共有持分がある場合は、その持分の扱いが査定額を左右することもあります。
2. 袋小路・旗竿地(接道が狭い)
道路に接する間口が狭い、または敷地の奥にある「旗竿地」は、建築基準法の接道義務(原則、幅員4m以上の道路に2m以上接すること)をぎりぎり満たす程度だと、建て替えの自由度が低く評価が下がります。
3. 擁壁がある
高低差のある土地の擁壁は、老朽化していると造成のやり直しが必要になり、数百万円単位の追加費用が発生することがあります。買主はこの費用を見込んで指値してくるため、そのままでは売りにくくなります。
4. 隣地との境界・隣人トラブル
境界標が不明確、越境物がある、といった状態では、多くの不動産会社が「境界確定測量」を先に求めます。隣人との関係が悪い場合はこの測量自体が難航し、売却が長期化する典型パターンです。
5. 立地(郡部・過疎地域)
都市部に比べて需要そのものが少ないエリアでは、条件の良い土地でも仲介だけでは買い手が見つかるまでに時間がかかります。
仲介で動かないときの4つの選択肢
1. 買取業者に相談する
仲介(買主を探して売る)ではなく、不動産会社が直接買い取る「買取」であれば、私道・擁壁・境界未確定といった事情があっても現況のまま値段がつくことがあります。相場より安くなるのが一般的ですが、最低いくらで、いつまでに現金化できるかを把握しておくと、仲介を続けるか判断しやすくなります。
2. 隣地所有者に打診する
私道持分がある土地や、極端に狭い土地は、隣接地の所有者にとって「自分の土地を使いやすくできる唯一の相手」であることが多く、市場価格より高く評価してもらえる場合があります。直接の交渉はトラブルの元になりやすいため、不動産会社を通じて打診するのが安全です。
3. 自治体の空き家バンクに登録する
建物付きの土地で、仲介市場では動きがなくても、移住・二拠点居住を希望する人向けの空き家バンクを通じて売却・賃貸につながることがあります。登録条件や手数料の有無は自治体によって異なります。詳しくは役場の窓口でご確認ください。
4. 相続土地国庫帰属制度を使う(相続した土地の場合)
相続または遺贈で取得した土地で、売却・活用のあらゆる手段を尽くしても手放せない場合、要件を満たせば土地を国に引き渡せる制度があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 審査手数料 | 土地1筆あたり14,000円(却下・不承認でも返還されません) |
| 負担金 | 国有地の種目ごとに、管理に要する10年分相当額を算定 |
| 申請できる人 | 相続・遺贈によって土地を取得した人(共有者全員での申請も可) |
ただし誰でも使えるわけではありません。次のような土地は申請の時点で却下されます。
- 建物がある土地
- 担保権(抵当権など)や使用収益権が設定されている土地
- 境界が明らかでない土地、所有権の範囲に争いがある土地
境界確定測量や建物の解体を済ませてからでないと申請できないケースが多く、「今すぐ手放せる」制度ではない点に注意してください。また、次のような事情があると審査で不承認になります。
- 急な崖があり、管理に過分な費用・労力がかかる土地
- 土地の管理・処分を妨げる工作物や埋設物がある土地
- 隣接地との紛争を解決しないと管理できない土地
まとめ|理由を特定してから、複数の手段を並行する
「売れない土地」の多くは、私道・接道・擁壁・境界・立地のいずれかに原因があります。仲介だけに絞らず、買取業者への相談・隣地への打診・空き家バンク・(相続地なら)国庫帰属制度を並行して検討することで、選択肢は大きく広がります。
まずはお住まいの市区町村の相場ページで地価の水準を確認し、複数の不動産会社に現況のままの査定を依頼してみてください。査定は無料です。
※ 本記事は法務省・国土交通省の公開情報をもとに作成しています。個別の土地の状況によって対応は異なるため、具体的な判断は不動産会社・司法書士・土地家屋調査士にご確認ください。