副業として安定した収入を得たい会社員の方にとって、民泊投資は魅力的な選択肢です。しかし、初期費用の準備から運営方法まで、具体的な情報がないと踏み出せないと感じているのではないでしょうか。

この記事では、具体的な収益額や必要な初期費用、効率的な運営方法までを徹底解説します。
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民泊投資は副業として本当に稼げるの?

不動産投資の新たな形として注目を集める民泊投資。通常の賃貸経営と比べて高い収益が見込める一方で、運営面での工夫が必要です。

ここからは、副業として民泊投資を始める際の収益性と運営のポイントについて詳しく見ていきましょう。

賃貸経営より高い収益が期待できる

一般的な賃貸物件の利回りが3〜4%程度なのに対し、民泊運営では適切な運営により8〜15%の利回りを実現できます。物件の立地や設備によって変動はありますが、観光地や繁華街に近い物件では、1泊あたり8,000円〜15,000円の料金設定が可能です。稼働率を70%に設定した場合、月額17〜31万円の売上を見込むことができます。

固定費として、清掃費用が1回あたり3,000円〜5,000円、光熱費が月額1万円〜2万円程度発生します。これらの経費を差し引いても、賃貸経営と比較して2〜3倍の純利益を得られる可能性があります。特に繁忙期には稼働率90%以上を達成する物件も存在し、さらなる収益向上が見込めます。
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運営代行で不労所得化が可能

本業との両立における最大の課題となるのが、チェックインやクリーニングなどの運営業務です。運営代行サービスを活用することで、物件オーナーは運営実務から解放され、本業に支障をきたすことなく収益を得られます。代行手数料は売上の15〜25%程度が一般的ですが、時間的制約のある会社員にとって、この投資は効率的な選択肢となります。

代行会社は予約管理から清掃、緊急対応まで一括して対応します。オーナーは月次報告を確認し、収支の管理や改善提案を行うだけで運営が可能です。実際に、多くの会社員が休日に2〜3時間程度の時間投資で民泊経営を継続しています。
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民泊運営で資産価値向上もできる

民泊運営には、物件の資産価値を向上させる効果もあります。インテリアや設備の充実、適切なメンテナンスにより、物件の市場価値は維持・向上します。築古物件でも、デザイン性の高い内装や快適な設備を整えることで、高単価での運営が可能になります。

さらに、民泊運営のノウハウを活かし、複数物件の運営に発展させることで、スケールメリットを生かした収益拡大も実現できます。清掃スタッフの効率的な配置や備品の一括購入によるコスト削減など、運営の最適化が図れます。

実際に、1物件での成功体験を基に、2年目以降に物件数を増やし、副業から本業への転換を実現したオーナーも増加しています。このように、民泊投資は単なる副収入源としてだけでなく、将来的なキャリア形成の選択肢としても注目されています。
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民泊投資の具体的な収益はどのくらい?

民泊投資の実際の収益性を理解するには、物件の取得価格から運営収支まで、具体的な数字を見ていく必要があります。

ここでは、実例に基づいた収益計算と運営コストの内訳を詳しく解説します。

投資利回り20〜50%も可能

都心部の1,500万円程度の物件を活用した民泊運営の場合、月額売上は35〜45万円に達することがあります。稼働率80%、平均宿泊単価12,000円として計算すると、年間売上は420〜540万円となります。

特に立地条件の良い物件では、繁忙期に宿泊単価を20,000円以上に設定することも可能です。実際に、東京都心や大阪市内の物件では、年間売上が600万円を超える事例も存在します。これは投資額に対して40%以上の粗利回りを実現していることになります。

初期投資を抑えるため、中古物件をリノベーションして運営を開始するケースでは、投資利回りが50%を超えることもあります。築30年以上の物件でも、戦略的なリノベーションにより高収益を実現できる点が、民泊投資の特徴です。
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運営コストと実質利益の計算

収益から差し引く必要がある運営コストは、以下のような内訳になります。

固定費の部分では、ローン返済額が月額6〜8万円、管理費・修繕積立金が1〜2万円発生します。また、インターネット回線費用や損害保険料として月額1万円程度が必要です。

変動費としては、1泊あたりの清掃費用3,000〜5,000円、アメニティ費用500〜1,000円が発生します。光熱費は季節により変動しますが、月額1.5〜3万円程度を見込む必要があります。

これらの経費を全て差し引いた実質的な月間利益は、以下のような計算になります。
月間売上40万円の場合
・清掃費用:8万円(20泊想定)
・アメニティ費用:2万円
・光熱費:2万円
・ローン返済:7万円
・管理費等:2万円
・その他経費:2万円

運営代行サービスを利用する場合は、売上の20%程度を手数料として見込む必要があります。

民泊副業を始めるために必要な初期費用は?

マネー 

民泊事業を始める際の初期費用は、物件取得費用から内装工事、備品購入まで多岐にわたります。資金調達の計画を立てるため、必要な費用の全体像を具体的に見ていきましょう。

最低限必要な開業資金の内訳

物件取得を伴う場合、頭金として物件価格の2割から3割が必要となります。例えば1,500万円の物件では300万円から450万円の自己資金が求められます。これに加えて、仲介手数料が物件価格の3%程度、登記費用が10万円前後発生します。

リノベーション工事では、水回りの改修に50万円から100万円、内装工事に100万円から200万円程度が標準的な費用となります。特に浴室やキッチンの設備更新は、快適な宿泊環境を提供するために欠かせない投資です。工事費用は物件の状態や改修範囲によって大きく変動するため、複数の施工業者から見積もりを取得することをお勧めします。

家具・設備投資の具体例

宿泊者が快適に過ごせる空間を作るため、以下のような備品投資が必要となります。ベッドやマットレスには20万円から30万円、リビング家具一式には30万円から50万円程度を見込みます。質の良い寝具や家具は、口コミ評価に直結する重要な要素です。

電化製品では、エアコン設置に10万円から15万円、冷蔵庫やテレビなどの家電一式に30万円から40万円が必要です。また、Wi-Fi環境の整備やセキュリティシステムの導入にも10万円程度の投資が求められます。これらの設備は、宿泊者の満足度を左右する重要な要素となります。

許認可取得にかかる費用

民泊事業を適法に運営するために、住宅宿泊事業法に基づく届出が必要です。届出自体の費用は数千円程度ですが、消防法や建築基準法への適合性を確認するための調査費用として10万円から20万円が発生することがあります。

管理業務主任者の設置や標識の掲示など、法令順守に関する費用も考慮が必要です。また、近隣住民への説明会開催や騒音対策などの環境整備費用として、追加で10万円程度を見込んでおくことが望ましいです。賠償責任保険の加入も必須であり、年間2万円から5万円程度の費用が発生します。
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会社員でも民泊運営の時間は確保できる?

フルタイムで働く会社員にとって、民泊運営との時間的バランスは重要な課題です。実際の運営現場では、システムやサービスを活用することで効率的な運営が可能になっています。

それでは具体的な時間管理と運営の工夫について見ていきましょう。

本業と両立するコツ

効率的な民泊運営には、明確な時間配分とルーティン化が欠かせません。平日は予約確認と問い合わせ対応に15分程度、休日は月次収支の確認と改善策の検討に2時間程度を充てることで、基本的な運営管理が可能です。

実際の現場では、チェックイン前日に自動メッセージで到着時間を確認し、当日は電子キーで入室できるシステムを導入することで、立ち会いの必要性を削減できます。また、清掃スタッフとの情報共有にチャットツールを活用することで、リアルタイムでの状況把握が可能になります。

自動化できる業務

予約管理システムの活用により、料金設定から予約確認、決済処理まで自動化が可能です。人気の予約サイトと連携したチャネル管理ツールを導入することで、複数サイトの予約状況を一元管理できます。これにより、手作業による二重予約のリスクを排除できます。

スマートロックとセンサーを組み合わせることで、鍵の受け渡しや室温管理も自動化できます。宿泊者の入退室履歴はスマートフォンで確認でき、防犯面でも安心です。定型的なメッセージ対応は、AIチャットボットに任せることで24時間対応が可能になります。

トラブル対応の時間管理

緊急時の対応は、運営代行サービスや専門業者と連携することで、本業への影響を最小限に抑えられます。水漏れや設備故障などの緊急事態には、契約した保守会社が24時間体制で対応します。これにより、突発的な時間的負担を軽減できます。

トラブル発生時の初動対応をマニュアル化し、対応フローを整備することも重要です。宿泊者からの苦情や要望には、まず代行スタッフが対応し、重要度に応じてオーナーに報告する体制を構築します。実際の現場では、緊急度の高い案件は月に1〜2件程度であり、その多くは30分以内で解決できる内容です。

民泊副業で成功するためのポイントとは?

ビジネスウーマン

会社員が民泊運営で成功を収めるには、戦略的な物件選定から効率的な運営体制の構築まで、総合的な取り組みが必要です。これまでの成功事例から導き出された具体的なポイントを見ていきましょう。
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立地選び

物件選定の成否は、将来の収益を大きく左右します。駅からの徒歩圏内、特に10分以内の物件は、宿泊者の利便性を高め、年間を通じて安定した予約率を確保できます。実際の運営データによると、駅近物件は駅から離れた物件と比較して、20〜30%高い稼働率を達成しています。

立地選定では、周辺の観光スポットや商業施設の分布も重要な判断材料となります。飲食店や小売店が充実している地域では、宿泊者の滞在満足度が高まり、リピート予約につながります。特に、コンビニエンスストアや食料品店が徒歩圏内にあることは、長期滞在者の獲得に有利に働きます。

集客力を高める物件を作る

宿泊施設としての魅力を高めるには、ターゲット層のニーズを的確に捉えた内装デザインと設備投資が重要です。ビジネス利用者向けには、作業スペースとWi-Fi環境の充実が、家族連れには収納スペースと調理設備の充実が求められます。

写真映えする空間づくりも、予約率向上の重要な要素です。インスタグラムなどのSNSで拡散されやすい内装や設備は、広告費をかけずに認知度を高められます。実際に、写真映えするデザインを取り入れた物件では、口コミ評価が平均で0.5〜1.0ポイント上昇しています。

集客サイトのSEO対策をする

予約サイトでの露出を増やすには、戦略的なコンテンツ作成とキーワード対策が必須です。物件タイトルには、立地や特徴を端的に表現し、検索上位表示を狙います。「新宿駅5分」「最大6名」など、具体的な数字を含めることで、検索時の視認性が向上します。

物件説明文では、周辺施設や交通アクセスなど、実用的な情報を詳細に記載します。また、季節ごとのイベント情報や観光スポットの紹介を定期的に更新することで、検索順位の維持向上につながります。データ分析によると、月1回以上の情報更新を行う物件は、更新頻度の低い物件と比べて予約率が15〜20%高くなっています。

まとめ

民泊投資は、適切な物件選定と運営戦略により、副業として十分な収益を期待できる投資方法です。投資利回り20〜50%という高収益が可能であり、運営代行サービスを活用することで、会社員でも時間的負担を抑えた運営が実現できます。

成功のカギは、駅近などの好立地物件の選定、写真映えする魅力的な内装作り、そして予約サイトでの効果的なプロモーションにあります。初期費用の準備は必要ですが、システム化と効率的な運営体制の構築により、安定的な副収入源として成長させることが可能です。

参考

国土交通省 民泊制度ポータル