旅行の計画を立てていると「エアビー」という言葉をよく耳にするけれど、実際どんなサービスなのか分からない…ホテルとどう違うの?安全なの?使い方は難しくない?そんな疑問をお持ちではありませんか?
宿泊先の選択肢が多様化する現代、エアビーは世界中の旅行者に新しい宿泊体験を提供するサービスとして急速に普及しています。でも初めて利用する方にとっては、システムの仕組みや予約方法、安全性など不安要素も少なくありません。
この記事では、エアビーの基本的な仕組みからメリット・デメリット、安全に利用するためのコツまで、初心者の方でも安心して利用できるよう徹底解説します。
エアビーって何?

世界中の旅行者と宿泊施設のオーナーをつなぐプラットフォーム、それがエアビーです。ホテルに泊まるという従来の旅行スタイルから一歩踏み出したい方に、新しい選択肢として広く浸透してきました。特に地元の生活を体験したい旅行者や、より自由な滞在スタイルを求める人たちから支持を集めています。
エアビーは「Air Bed and Breakfast(エアベッドアンドブレックファスト)」の略称で、誰でも自宅の空きスペースやセカンドハウスを旅行者に提供できるシステムです。ホテルチェーンによる画一的なサービスとは異なり、一般の人々が提供する多種多様な宿泊施設を探せるところが大きな特徴となっています。
民泊という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。エアビーはまさにこの民泊サービスの代名詞的存在で、「他人の家に泊まる」という新しい旅のかたちを世界に広めてきました。
世界中で利用される宿泊マッチング
エアビーは2008年にアメリカのサンフランシスコで創業されて以来、急速に世界へ展開していきました。現在では200以上の国と地域で利用され、登録されている宿泊施設の数は数百万件にも上ります。まさに国境を越えたグローバルなプラットフォームとして成長を遂げています。
日本でも2014年頃から利用者が増加し、2018年の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行により法的な枠組みが整備されました。この法整備により、一定の条件下で個人宅を宿泊施設として提供することが正式に認められるようになりました。
エアビーの魅力は、そのグローバル性だけではありません。地元の人々との交流ができる点も大きな特徴です。ホストと呼ばれる宿泊施設の提供者は、多くの場合、地元の情報に詳しい方々です。観光ガイドブックには載っていないような地元の穴場スポットを教えてもらえることも珍しくありません。
また、エアビーのプラットフォームは直感的に操作できるように設計されています。地図上で宿泊場所を探せたり、価格や設備などの条件で絞り込みができたりする機能が充実しているため、自分の希望に合った宿泊先を見つけやすくなっています。
さらに、多言語対応のサポートシステムも整っており、言語の壁を感じることなく海外の宿泊施設も予約できます。このように、誰もが使いやすいプラットフォームづくりにも力を入れている点が、世界中での普及につながっています。
空き部屋を活用した副収入の機会もある
エアビーは旅行者だけでなく、宿泊施設を提供するホストにとっても魅力的なサービスです。自宅の空き部屋やセカンドハウス、別荘などを活用して副収入を得る手段として注目されています。
実際、多くの人がエアビーを通じて副業的に収入を得ています。例えば、出張や旅行で不在にする期間だけ自宅を貸し出したり、普段使用していない部屋だけを提供したりする方法が一般的です。中には、この副収入をきっかけに本業としてホスティングビジネスを展開する人も増えてきました。
収入面では、宿泊料金の設定は基本的にホスト側に委ねられています。地域や物件のタイプ、設備の充実度などによって適切な価格設定を行うことで、効率的に収益を上げることが可能です。エアビーのプラットフォームでは、周辺の類似物件の相場も確認できるため、初めてホストになる方でも参考にしやすい環境が整っています。
ただし、ホストになるためには一定の条件をクリアする必要があります。日本では前述の住宅宿泊事業法に基づき、届出や登録が必要な場合があります。また、マンションやアパートでは管理規約で民泊が禁止されているケースもあるため、事前確認が欠かせません。
資産活用という観点では、不動産投資の一形態としてエアビー向けの物件を購入する動きも見られます。長期の賃貸契約と比較して、短期滞在者向けに貸し出すことで高い収益率を目指す投資家も少なくありません。
このように、エアビーは遊休資産を活用した新たな収入源を創出するプラットフォームとしても機能しています。空間を共有する「シェアリングエコノミー」の代表例として、既存の資産を効率的に活用する新しい経済モデルを世界に広げてきたサービスと言えるでしょう。
エアビーでどんな宿泊体験ができる?

エアビーで提供される宿泊体験は、従来のホテルステイとは一線を画す多様性が魅力です。一般の人々が提供する個性的な空間で過ごすことで、旅の思い出がより鮮やかなものになります。また、単なる宿泊場所としてだけでなく、その土地ならではの体験や文化に触れる機会も広がっています。
エアビーでは、一軒家の貸切からマンションの一室、別荘、古民家、さらには城や灯台など珍しい物件まで、様々なタイプの宿泊施設を見つけることができます。短期の観光旅行だけでなく、リモートワークをしながらの長期滞在(いわゆるワーケーション)にも適しており、利用シーンも多様化しています。
特に日本では、外国人観光客からの需要が高く、伝統的な日本家屋や旅館スタイルの物件が人気を集めています。逆に、日本人が海外のエアビーを利用する際は、現地の一般家庭やアパートメントに滞在することで、観光客としては味わえない日常的な異文化体験ができるという点が支持されています。
現地の暮らしを体験できる
エアビーの最大の魅力の一つは、旅行先での「暮らすような体験」ができることです。ホテルでは味わえない、その土地に住む人々の日常に近い形で旅を楽しめます。地元のスーパーマーケットで買い物をしたり、キッチンで自炊したりといった体験は、旅行者にとって新鮮な思い出となります。
例えば、パリのアパルトマンに滞在すれば、朝は近所のベーカリーで焼きたてのバゲットを買い、夕方は地元の人々で賑わうカフェでアペリティフを楽しむといった、パリジャンのような日常を体験できます。こうした「観光客ではなく住民のように」過ごす時間は、その土地への理解を深め、より豊かな旅の記憶を作り出します。
また、多くのホストは地元の情報に精通しているため、観光ガイドブックには載っていないような地元民お薦めのレストランや観光スポットを教えてもらえることも少なくありません。中には、ホストが自ら地元のツアーガイドとなって案内してくれるケースもあります。このような交流は、現地の文化や習慣をより深く理解する貴重な機会となります。
言語や文化の壁を超えた人々との出会いも、エアビーならではの体験です。ホストファミリーとの共同生活を通じて、その国の家庭料理を教わったり、地元の祭りに招待されたりすることもあります。このような文化交流は、旅の思い出としてだけでなく、視野を広げる人生経験としても価値があるでしょう。
長期滞在の場合は特に、地元のコミュニティに溶け込むような体験ができます。近所の常連カフェで顔を覚えてもらったり、地元の習慣や行事に参加したりすることで、旅行では通常得られない深い異文化理解につながります。このように、エアビーは単なる宿泊サービスを超えて、文化交流のプラットフォームとしても機能しているのです。
ユニークな物件で特別な思い出を作れる
エアビーのもう一つの大きな特徴は、従来の宿泊施設では考えられないようなユニークな物件が多数登録されていることです。一般的なアパートメントや一軒家だけでなく、城、灯台、ツリーハウス、洞窟、水上コテージ、古い教会を改装した物件など、想像を超える多様な宿泊先が世界中に存在しています。
例えば、フランスの本物の城に滞在して貴族気分を味わったり、アイスランドのドームハウスから壮大なオーロラを観賞したり、タイの水上バンガローで波の音を聞きながら眠りについたりといった非日常的な体験が可能です。日本国内でも、古民家を改装した宿や、離島の一軒家など、普段の生活では体験できない宿泊先が数多く登録されています。
これらのユニークステイは、旅行の目的そのものになることも少なくありません。「あの特別な場所に泊まりたい」という動機で旅行先を決める旅行者も増えており、インスタグラムなどのSNSで話題になる珍しい宿は、予約が取りにくくなるほどの人気を集めています。
中には、テーマ性の高い物件も存在します。映画やドラマのセットを再現した部屋、特定の時代にタイムスリップしたような内装の宿、芸術家がデザインした空間など、そこに滞在すること自体が一つのエンターテイメントとなるような物件も増えています。
物件の規模も様々で、カップルでの利用に最適なコンパクトな空間から、大人数での利用が可能な大邸宅まで幅広く選べます。特に、家族旅行やグループ旅行では、全員が一緒に過ごせる共有スペースがある物件を選ぶことで、ホテルの個室に分かれて宿泊するよりも充実した時間を過ごせるでしょう。
このように、エアビーでは「どこに泊まるか」という選択肢が無限に広がることで、宿泊自体が旅行の大きな楽しみとなります。普段の生活では体験できない空間で過ごすことは、特別な思い出となり、旅の価値をさらに高めてくれるのです。
エアビーとホテルとの違いは?

旅先での宿泊施設を選ぶとき、多くの人がエアビーとホテルの選択肢で迷うことがあります。両者には明確な違いがあり、旅の目的や個人の好みによってどちらが適しているかは変わってきます。エアビーとホテルは、旅行体験において根本的に異なるアプローチを提供しています。
それぞれの特徴
ホテルの最大の特徴は、安定した品質とサービスにあります。同じホテルチェーンであれば、世界中どこに行っても似たようなサービスと設備を期待できます。この予測可能性は、特に初めて訪れる場所での安心感につながります。また、多くのホテルでは共通の評価システム(星の数など)があるため、品質の目安がわかりやすいというメリットもあります。
一方、エアビーの特徴は多様性と個性にあります。一般家庭から城やツリーハウスまで、同じ価格帯でも全く異なる体験ができるのがエアビーならではの魅力です。また、ホストとの直接のやりとりを通じて、自分の希望や要望を伝えやすく、より個人的なニーズに合わせたカスタマイズが可能です。例えば、赤ちゃん連れの場合はベビーベッドの用意をお願いしたり、アレルギーがある場合は事前に対応してもらえるかを確認したりできます。
価格面では、エアビーは一般的にホテルよりもコストパフォーマンスが高い傾向にあります。特に、滞在期間が長くなるほど、また人数が増えるほど、その差は顕著になります。多くのエアビー物件では、週単位や月単位の割引が適用されることも、長期滞在者にとっての大きなメリットです。
しかし、責任の所在という点では違いがあります。ホテルでは何か問題が生じた場合、ホテルスタッフが即座に対応してくれますが、エアビーでは基本的にホストとの直接交渉が必要です。もし、ホストとの意思疎通がうまくいかない場合は、エアビー社のカスタマーサポートを介することになります。この対応の違いは、特に海外での滞在や言語の壁がある場合に考慮すべき点でしょう。
宿泊人数と滞在期間
エアビーとホテルの違いは、宿泊人数と滞在期間の面でも明確です。エアビーは家族やグループでの利用、そして長期滞在に適している一方、ホテルは個人やカップルでの短期滞在に向いていると言えるでしょう。
エアビーの大きな利点は、複数の寝室を持つ物件が多いことです。家族旅行やグループ旅行では、ホテルだと複数の部屋を予約する必要がありますが、エアビーなら一つの物件で全員が一緒に滞在できます。リビングやダイニングといった共有スペースがあることで、みんなで料理を作ったり、語り合ったりする時間を持てるのも魅力です。特に子連れ家族の場合、子どもたちが寝た後も大人が共有スペースで過ごせる点は大きなメリットとなります。
また、長期滞在においてもエアビーは優位性を持ちます。先述の週単位・月単位の割引に加え、生活感のある空間で過ごせることが長期滞在者にとって重要です。特に、リモートワークをしながらの滞在(ワーケーション)が増えている現在、デスクスペースがあることや、安定したWi-Fi環境が整っている物件も増えています。
一方、ホテルは短期滞在での利便性に優れています。チェックイン・チェックアウトの手続きがスムーズで、深夜到着や早朝出発の場合でも対応してもらえます。また、荷物預かりサービスも充実しているため、チェックアウト後も観光を楽しみたい場合に便利です。
少人数での滞在、特に一人旅の場合は、ホテルの方が向いていることが多いでしょう。エアビーでは一人利用だと割高になる場合が多く、また安全面でもホテルの方が安心感があります。ただし、エアビーにも「個室」タイプの物件があり、ホストと同じ家に滞在しながら一室だけを借りるという選択肢もあります。
設備の違い
エアビーとホテルの選択において、設備の違いは重要な検討ポイントです。両者は提供する設備やアメニティに大きな違いがあり、旅のスタイルに合わせた選択が必要になります。
エアビーの最大の特徴は、自炊設備が整っていることです。多くの物件にはキッチンがあり、冷蔵庫、コンロ、電子レンジ、調理器具、食器などが揃っています。自炊ができることで、食費の節約だけでなく、現地の市場やスーパーマーケットで食材を買い、その土地の食文化に触れるという体験もできます。特に食事制限がある方や、赤ちゃん連れの家族にとって、自分で調理できる環境は大きなメリットです。
また、多くのエアビー物件には洗濯機も設置されています。長期滞在では特に重要な設備で、荷物を最小限に抑えて旅行できる利点があります。さらに、生活空間としての快適さを追求した設備も多く見られます。例えば、ゆったりとしたソファやテレビ、書籍、ボードゲームなど、くつろぎのための要素が充実していることが少なくありません。
一方、ホテルは清潔さと快適さを重視した設備が特徴です。毎日の清掃サービス、新しいタオルやアメニティの補充など、常に清潔な環境が維持されています。また、高級ホテルではスパやフィットネスジム、プールといった共用施設も利用できることが多く、旅先でも日常のフィットネスルーティンを続けたい方にとっては魅力的です。
インターネット環境については、近年はどちらも充実していることが多いですが、特にビジネス目的の旅行者にとっては、ホテルの方が安定した高速Wi-Fiを提供していることが多いでしょう。ただし、エアビーでもホストによってはビジネス利用に対応した高速インターネット環境を整えている物件も増えています。
セキュリティの面では、ホテルの方が優れている傾向があります。24時間体制のフロントデスクやセキュリティスタッフ、客室内の金庫など、安全に配慮した設備が充実しています。エアビーでは物件によってセキュリティレベルに差があるため、レビューをよく確認することが重要です。
エアビーのメリットは?

エアビーを最大限に活用することで、旅行予算を効率的に使いながら、より深く、より豊かな旅の体験を実現することができるでしょう。それでは、エアビーが提供する具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
宿泊費を抑えられる
エアビーの最も明確なメリットの一つが、宿泊費の節約です。特に都市部や人気の観光地では、同等クラスのホテルと比較して大幅に安い価格で宿泊できることが多いです。この価格差は滞在期間が長くなるほど、また人数が増えるほど顕著になります。
例えば、ニューヨークやロンドンといった宿泊費の高い都市では、中心部のホテルに泊まると一泊200ドル以上かかることも珍しくありません。一方、エアビーでは同じエリアでも半額程度で宿泊できる場合も多く、家族4人で一週間滞在すれば、数万円から十万円以上の差が生じることもあります。
このコスト削減が可能な理由の一つは、エアビーが仲介するだけで実際の運営は個人が行っているため、大規模なホテルチェーンのような人件費や管理費がかからないことにあります。また、多くのホストは遊休資産の活用や副収入目的で参加しているため、利益率を抑えた価格設定が可能になっています。
さらに、エアビーでは長期滞在割引が適用されることが一般的です。多くの物件で週単位の予約で5〜10%、月単位の予約で15〜25%程度の割引が提供されています。例えば、一泊10,000円の物件でも、一か月滞在なら一泊あたり7,500円程度になることも珍しくありません。
宿泊費以外にも、自炊設備があることで食費の節約も可能です。外食中心の旅行と比べて、一部の食事を自炊に切り替えるだけでも大きな違いが生まれます。特に朝食を自分で用意するだけでも、一人一日1,000円以上の節約になることもあるでしょう。
また、洗濯機が備わっていることで、長期滞在の場合は荷物を少なくでき、航空会社の受託手荷物料金の節約にもつながります。こうした総合的なコスト削減効果により、同じ予算でより長く滞在したり、節約した費用で現地でのアクティビティや食事に回したりすることが可能になります。
多様な宿泊施設が選べる
エアビーの大きな魅力の一つは、従来のホテル業界では考えられないほど多様な宿泊施設から選べることです。一般的なアパートや一軒家から、古城、灯台、ツリーハウス、水上バンガロー、洞窟住居まで、想像を超える様々な物件が登録されています。
例えば、フランスの古城に泊まって貴族気分を味わったり、フィンランドのガラス張りのイグルーからオーロラを観賞したり、タイの水上コテージで波の音を聞きながら眠りについたりといった特別な体験が可能です。日本国内でも、古民家や茶室を改装した宿、離島の一軒家など、普段の生活では体験できない宿泊先が数多く登録されています。
立地についても選択肢が豊富です。観光名所の近くだけでなく、地元の人々が暮らす住宅街や郊外、さらには都市から離れた田園地帯や山間部など、自分の旅のスタイルに合わせた場所を選ぶことができます。特に、公共交通機関が発達していない地域では、観光客があまり訪れない場所に滞在できることが大きな魅力となります。
物件のデザインやインテリアも千差万別です。ミニマリストな北欧スタイル、クラシカルなヨーロピアンスタイル、伝統的な和風の内装など、好みに合わせた空間を選べます。また、特定のテーマに沿ってデザインされた物件も少なくありません。例えば、映画のセットを再現した部屋や、特定の時代にタイムスリップしたような内装の宿など、そこに滞在すること自体が旅の目的となるような物件も存在します。
サイズや構成も様々で、一人旅に最適なコンパクトなスタジオタイプから、大家族や複数グループでの利用に適した大邸宅まで幅広く選べます。また、プライベートプールやジャグジー、サウナ、ゲームルームなどの特別な設備を備えた物件も多数あり、自分たちの希望に合わせたカスタマイズが可能です。
検索機能も充実しており、価格、立地、部屋数、ベッド数、アメニティ、特別な設備など、細かい条件で絞り込むことができます。また、「ビーチフロント」「山の景色」「ラグジュアリー」「デザイン」といったカテゴリーで探すこともでき、自分の理想の宿泊体験に合った物件を見つけやすくなっています。
自炊ができる
エアビーの大きなメリットの一つが、多くの物件で自炊が可能な点です。キッチンが備わっていることで、食事の自由度が格段に上がり、旅の体験をより豊かにしてくれます。
まず、自炊により食費を大幅に節約できます。特に家族やグループでの旅行では、全ての食事を外食で済ませると予想以上に費用がかさみます。朝食だけを自炊するだけでも、一週間の滞在で数万円の節約になることもあるでしょう。また、夕食を簡単に自炊し、その分のお金を特別なレストランでのランチに使うといった予算配分も可能になります。
食の自由度も大きなメリットです。食事の時間に縛られず、自分のペースで食事ができます。早朝の出発が必要な日でも朝食を取ることができますし、観光で疲れた夜には外出せずに簡単な食事を取ることもできます。また、食事制限がある方や特定の食材にアレルギーがある方にとっては、自分で食材を選び調理できることが大きな安心感につながります。
さらに、自炊は現地の食文化に触れる絶好の機会です。地元のマーケットやスーパーマーケットで買い物をすることで、その国や地域の日常的な食材や調味料を知ることができます。例えば、イタリアなら地元の市場で新鮮な食材を買い、シンプルなパスタを作る体験は、レストランでの食事とはまた違った楽しみがあります。
子連れ家族にとっては、特に自炊の価値が高いでしょう。子どもの好みや食事のリズムに合わせた食事を提供できるため、海外旅行での食事ストレスを軽減できます。また、アレルギーを持つ子どもの場合、安全な食材選びができる点も重要です。
在宅勤務をしながらの長期滞在(ワーケーション)の場合も、自炊設備は大きなメリットとなります。毎日外食する負担がなく、健康的な食生活を維持しやすいためです。特に一か月以上の長期滞在では、自分の食習慣を続けられることがストレス軽減につながります。
キッチンの設備も物件によって様々です。基本的な調理器具や食器は揃っていることが多いですが、中にはエスプレッソマシンや食洗機、製氷機などの高級設備を備えた物件もあります。特に料理好きの方は、設備の詳細を確認してから予約するとよいでしょう。
ローカル体験ができる
エアビーの特筆すべきメリットの一つは、地元の文化や生活様式を深く体験できる点です。観光客向けのホテルエリアとは異なり、実際に地元の人々が暮らす地域に滞在することで、その土地の真の姿に触れることができます。
地元の日常に溶け込むような体験は、旅の記憶をより鮮やかなものにします。例えば、朝の散歩で地元の人々が集まるカフェを見つけたり、夕方になると広場に集まる住民の姿を観察したり、週末の市場で賑わう様子を体験したりと、通常の観光では味わえない風景に出会えます。その土地の生活リズムや習慣を肌で感じることで、より深い文化理解につながるのです。
多くのホストは自分の住んでいる地域に誇りを持ち、地元ならではの情報を喜んで共有してくれます。観光ガイドブックには載っていないような地元民お薦めのレストランや、穴場の観光スポット、地元のイベント情報など、貴重なアドバイスをもらえることも少なくありません。中には、ホスト自身が案内役となって地元のツアーを提供してくれるケースもあります。
特に、地元の食文化体験は旅の大きな楽しみの一つです。近所のマーケットやスーパーマーケットで買い物をすることで、その地域で人気の食材や商品を知ることができます。日本人には馴染みのない食材や調味料に出会う機会もあり、新たな料理のインスピレーションを得ることもできるでしょう。
地域のイベントや祭りに参加できるチャンスも増えます。例えば、スペインの小さな町に滞在していれば、地元の聖人の日のお祭りに偶然遭遇することもあるでしょう。ホストから事前に情報を得ることで、そうした地元のイベントに参加する計画を立てることも可能です。
言語の壁を越えた交流も、エアビーならではの魅力です。言葉が通じなくても、ジェスチャーや翻訳アプリを駆使しながら、地元の人々と心温まる交流ができることがあります。こうした出会いは、旅の思い出として長く心に残るものです。
家のように過ごすことができる
エアビーの大きな魅力の一つは、「家のように」くつろげる空間で過ごせることです。ホテルの客室とは異なり、実際に人が生活している空間であるため、より自然なリラックス感を得ることができます。
まず、スペースの広さが大きなメリットです。ホテルの一室と比べて、エアビーの物件は一般的に広いリビングスペースを備えており、長時間滞在してもストレスを感じにくい環境となっています。特に、家族やグループでの旅行では、共有スペースでともに過ごす時間が旅の思い出として重要な要素となります。リビングルームでくつろいだり、ダイニングテーブルを囲んで食事をしたり、一緒にテレビを見たりといった日常的なひとときが、旅の中での貴重な時間となるでしょう。
プライバシーの確保も大きなメリットです。ホテルでは廊下や隣室の音が気になることもありますが、一軒家タイプのエアビーでは、そうした心配なく自分たちのペースで過ごすことができます。声を抑える必要がなく、子どもが走り回っても気にする必要がないなど、特に家族連れにとっては大きな利点となります。
家庭的な設備も充実しています。多くの物件には、洗濯機や乾燥機、アイロン、ヘアドライヤーなど、長期滞在に欠かせない設備が備わっています。また、Wi-Fi環境も整っており、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどを快適に使用できます。特に、リモートワークをしながらの滞在では、安定したインターネット環境や作業スペースの確保が重要ですが、多くのエアビー物件ではそうしたニーズにも対応しています。
小さな子ども連れの旅行では、エアビーの家庭的な環境が特に価値を発揮します。子ども用のおもちゃや絵本が置いてある物件も多く、また独立した寝室があることで、子どもの就寝後も大人が過ごせるスペースがあります。キッチンがあることで、子どもの食事の準備も容易ですし、冷蔵庫に常備食を入れておけるのも安心です。
長期滞在の場合、「生活感」のある空間で過ごせることの価値はさらに高まります。毎日同じホテルの部屋で過ごすのとは異なり、徐々に物件に愛着が湧き、「第二の我が家」のような感覚を味わうことができます。特に、数週間から数ヶ月の滞在では、一時的にせよその場所に「住む」という体験が、旅の質を大きく変えるでしょう。
また、多くの物件には書籍やボードゲーム、時にはピアノなどの楽器が置かれていることもあり、雨の日や休息日に室内で過ごす際の選択肢が広がります。こうした「生活の質」に関わる要素は、数字では測れない価値を旅にもたらしてくれます。
エアビーのデメリットは?

エアビーの人気が世界的に高まる一方で、このサービスには考慮すべきデメリットも存在します。
それでは、エアビーを利用する際に考慮すべき主なデメリットについて詳しく見ていきましょう。
ホストとチャットのやり取りが必須
エアビーでは、予約前や滞在中に宿泊施設のオーナーであるホストとのコミュニケーションが必須となります。ホテルのように24時間体制のフロントデスクがあるわけではないため、全ての質問や要望は直接ホストとやり取りする必要があります。このコミュニケーション面が、特に初めてエアビーを利用する方にとって負担に感じられることがあります。
まず、予約前の段階では、物件の詳細や滞在に関する質問をホストにメッセージで送ることになります。レスポンスの速さはホストによって大きく異なり、数時間以内に返信がある場合もあれば、数日かかる場合もあります。特に直前の予約や急な質問の場合、この返信の遅れが旅行計画に影響することもあるでしょう。
また、言語の壁も大きな課題となります。国際的な観光地のホストは英語でのコミュニケーションが可能な場合が多いですが、地方や英語圏以外の国では、現地語しか話せないホストも少なくありません。翻訳ツールを使うにしても、ニュアンスが伝わらないことや誤訳によるトラブルのリスクがあります。
チェックイン時の対応もホストによって様々です。直接会って鍵を受け取るケース、スマートロックで対応するケース、別の場所に鍵を取りに行くケースなど、手続きが複雑になることもあります。特に到着時間が遅れた場合や変更が生じた場合は、必ずホストに連絡を取る必要があり、移動中や海外でのローミング環境下では負担となることがあります。
滞在中に問題が発生した場合も、全てホストとの直接交渉が基本となります。例えば、設備の不具合や近隣騒音の問題、追加のリクエストなどは、まずホストに連絡して解決方法を探ることになります。ホストの対応力や問題解決能力はまちまちで、迅速に対応してくれるホストもいれば、連絡が取りづらいホストもいます。
予約が完了するまで住所を知ることができない
エアビーのもう一つの大きなデメリットは、実際に予約が確定するまで宿泊施設の正確な住所が開示されないことです。これはエアビーのシステム上の仕様であり、ホストとゲストの安全を守るための措置ですが、旅行計画を立てる上では大きな不便を生じることがあります。
予約前の段階では、地図上でおおよその位置は確認できますが、正確な番地や建物名は表示されません。そのため、周辺環境や最寄りの交通機関からの距離、周辺施設の有無などを詳細に調査することができず、立地条件の正確な評価が難しくなります。特に初めて訪れる都市や地域では、この曖昧さが不安要素となることも少なくありません。
計画的な旅行者にとって、この点は特に問題になり得ます。例えば、公共交通機関を利用する予定がある場合、最寄り駅やバス停からの正確な距離が分からないため、移動計画を立てにくくなります。また、予約前に周辺の飲食店やスーパーマーケットの有無を確認したい場合も、正確な位置が分からないため調査が困難です。
特定の観光スポットへのアクセスを重視している場合も同様の問題が生じます。「中心部から徒歩15分」などの説明があっても、どの方向に15分なのか、どの観光スポットからの距離なのかが曖昧なケースも多いです。また、「閑静な住宅街」と記載されていても、実際には繁華街に近い可能性もあり、事前の確認が困難です。
さらに、安全面の不安も生じます。特に女性一人旅や、初めて訪れる国での宿泊の場合、治安の良い地域かどうかを事前に確認したいと考えるのは当然です。しかし、正確な住所が分からないため、その地域の治安状況を詳しく調査することができません。
予約確定後に住所を知り、想定と大きく異なる場合も問題です。例えば、説明文では「静かな環境」とあっても、実際には繁華街や幹線道路に面していた、という事例も報告されています。そのような場合でもキャンセルポリシーによっては返金が難しいケースがあり、旅行者側のリスクとなります。
このようなシステム上の制約は、旅行の不確実性を高め、特に細かい計画を立てたい旅行者や、立地条件を重視する旅行者にとっては大きなデメリットとなります。予約前にできるだけ多くの情報を収集し、ホストへの質問を通じて不明点を解消することが重要です。
写真と実際の部屋が違う可能性がある
エアビーで物件を選ぶ際、多くの人は掲載されている写真を主な判断材料としています。しかし、実際に到着してみると写真とはかなり印象が異なるケースが少なくありません。この「期待と現実のギャップ」は、エアビー利用における大きなデメリットの一つです。
まず、写真は多くの場合、最も魅力的に見える角度やライティングで撮影されています。プロのカメラマンを雇って撮影する物件もあり、広角レンズを使用することで部屋が実際よりも広く見えるケースも少なくありません。また、季節や時間帯によっても印象は大きく変わります。例えば、明るい昼間に撮影された写真では気づかなかった道路の騒音が、実際の夜間滞在では問題になることもあります。
写真の古さも問題となります。物件の写真は新しく登録された時点のものであることが多く、その後の経年劣化や家具の変更が反映されていないことがあります。例えば、登録時には新品だった家具が数年後には使い古されていたり、写真には映っていない傷や汚れが実際には存在したりするケースも報告されています。
また、写真で示されている設備やアメニティが実際には利用できないこともあります。例えば、プールや温泉などの共用施設が写真には含まれていても、特定の季節や時間帯のみの利用だったり、追加料金が必要だったりするケースです。また、写真にはキッチン用品や調理器具が豊富に揃っているように見えても、実際には基本的なものしかない場合もあります。
間取りや部屋の配置についても、写真だけでは正確に把握することが難しいです。例えば、トイレとシャワーが同じ空間にある、階段が非常に急である、天井が低い、といった特徴は写真からは判断しづらく、実際に滞在してみて初めて気づくことが多いです。
周辺環境の情報も不足していることが多いです。物件自体は写真通りでも、すぐ隣に工事現場がある、飲食店の真上で夜遅くまで騒がしい、といった環境要因は写真には映っていません。このような周辺環境の問題は、滞在の質に大きく影響するにもかかわらず、事前に把握することが困難です。
レビューを確認することで、ある程度は実態を把握できますが、すべての利用者がレビューを残すわけではなく、また否定的な体験よりも肯定的な体験の方が共有されやすい傾向があります。そのため、写真と実際の差について言及しているレビューが少ないこともあります。
サービスの品質が良くないことも
エアビーの最も大きなデメリットの一つは、サービスの品質に一貫性がないことです。ホテルチェーンであれば一定の品質基準があり、どの支店でもある程度同じレベルのサービスを期待できますが、エアビーの場合は完全に個人ホストに依存するため、体験の質に大きなばらつきがあります。
まず、清掃の質は物件によって大きく異なります。プロの清掃サービスを利用している物件もあれば、ホスト自身が清掃を行う場合もあり、その品質には大きな差があります。清潔さに対する基準や認識はホストによって異なるため、「清潔」と表現されていても実際にはホコリや汚れが残っている、前の宿泊者の忘れ物がそのままになっている、といったケースも報告されています。
アメニティの品質と充実度も大きく異なります。必要最低限のものしか提供されない物件がある一方で、高級ホテル並みのアメニティを揃えている物件もあります。特にタオルやリネン類の質は物件によって差が大きく、清潔感や快適さに直接影響します。
ベッドやマットレスの品質も一定ではありません。長期滞在の場合、睡眠の質は体験全体に大きく影響するため、この点は特に重要です。写真では見栄えの良いベッドでも、実際には古くてへたっていたり、安価なものだったりするケースも少なくありません。
Wi-Fiの安定性も物件によって大きく異なります。「高速Wi-Fi完備」と記載されていても、実際には接続が不安定だったり、速度が遅かったりすることがあります。特にリモートワークを予定している場合、この点は重大な問題になり得ます。
また、建物自体の品質や設備の状態も物件によって差があります。水圧が弱い、お湯が出にくい、エアコンの効きが悪い、といった基本的な設備の問題が、滞在体験を大きく損なうこともあります。古い建物を改装した物件では、こうした基本設備の問題が生じやすい傾向があります。
ホストの対応力も大きく異なります。問題発生時に迅速かつ適切に対応してくれるホストがいる一方で、連絡が取りづらかったり、問題解決に消極的だったりするホストも存在します。特に海外滞在中のトラブルは大きなストレスとなるため、ホストの対応力は滞在体験の質に直接影響します。
さらに、チェックイン・チェックアウトの柔軟性も物件によって異なります。早朝や深夜の到着に対応してくれるホストもいれば、厳格な時間制限を設けているホストもいます。旅行スケジュールによっては、この制限が大きな不便を生じることもあるでしょう。
エアビーは安全?

旅行において安全性は最も重要な要素の一つです。見知らぬ場所で、知らない人の家に滞在するというエアビーのコンセプトは、多くの人に「本当に安全なのか?」という疑問を抱かせます。
エアビーはプラットフォームとして、ユーザーの安全を確保するためのさまざまな対策を講じています。
エアビーの安全性確保への取り組み
エアビーはプラットフォームの信頼性を高めるため、複数の安全対策を実施しています。これらの対策は、ホストとゲスト双方の安全を確保するためのものであり、オンライン上の取引だけでなく、実際の滞在においても安心感を提供することを目指しています。
まず基本となるのが、利用者の身元確認システムです。エアビーに登録する際、ユーザーは政府発行の身分証明書のアップロードや、電話番号・メールアドレスの認証を求められます。また、多くの場合、支払い情報の登録も必要となります。これらの情報は、実際の人物と登録者が一致していることを確認するためのものであり、匿名によるトラブルの防止に役立っています。
特に「認証済みID」のバッジを取得しているホストは、より厳格な身元確認を経ているため、信頼性が高いと言えるでしょう。実際の予約時には、ホストもゲストも相手の情報をある程度確認できるため、双方に安心感をもたらします。
次に重要なのが、保険とホスト保証プログラムです。エアビーでは、最大100万ドル(約1億円)の損害保証を提供しています。この制度は主にホストを保護するためのものですが、万が一のトラブル発生時に迅速な解決が図れることは、ゲストにとっても安心材料となります。また、多くの国や地域では、ホストが適切な保険に加入していることを確認するシステムも整備されつつあります。
安全性確保のためのコミュニケーション機能も充実しています。予約成立後は、エアビーのプラットフォーム内でホストとゲストが直接メッセージをやり取りできる仕組みが整っており、滞在前の質問や不安点を解消できます。また、このシステムを通じてやり取りすることで、全ての会話が記録として残り、後のトラブル解決に役立てることができます。
緊急時対応も強化されています。エアビーには24時間対応のカスタマーサポートがあり、滞在中に何か問題が発生した場合、迅速に対応する体制が整っています。また、地域によっては、近隣の緊急連絡先(警察、救急、消防など)の情報を提供することで、万が一の事態に備えています。
物件のセキュリティ面では、煙感知器やCO検知器(一酸化炭素検知器)の設置を推奨するなど、基本的な安全基準の確保を促進しています。中には「安全性重視」を謳う物件もあり、セキュリティカメラや高度なロックシステムを導入しているケースもあります。
また、コロナ禍以降は衛生面の強化も図られています。「エンハンスト・クリーニング」と呼ばれる高度な清掃プロトコルを実施するホストも増えており、感染症対策の観点からも安全性の向上に努めています。
レビューシステム
エアビーの安全性を支える重要な柱の一つが、透明性の高いレビューシステムです。このシステムによって、過去の宿泊者の生の声を知ることができ、物件選びの際の貴重な判断材料となります。エアビーのレビューシステムには、いくつかの特徴的な仕組みがあります。
まず基本となるのが、相互評価システムです。エアビーでは、ゲストがホストを評価するだけでなく、ホストもゲストを評価します。この相互評価によって、双方が良い評価を維持するためのインセンティブが生まれ、全体的なサービス品質の向上につながっています。また、ゲストがホストに評価されることを意識することで、物件を丁寧に使用するよう促す効果もあります。
レビューの信頼性を高めるため、エアビーではレビュー期間に制限を設けています。滞在終了後14日以内にレビューを投稿する必要があり、相手のレビューを見る前に自分のレビューを書くシステムになっています。これにより、「相手がどう評価するか」を気にする必要なく、より率直な感想を共有できる環境が整っています。
評価は5段階の星評価に加え、具体的なコメントを残すことができます。星評価は「清潔さ」「コミュニケーション」「チェックイン」「正確さ」「立地」「コスパ」の6つのカテゴリーに分かれており、それぞれの側面から物件を評価できるようになっています。これにより、総合評価は高くても特定の項目(例えば清潔さ)に問題がある場合、それを事前に知ることができます。
実際のレビューを読む際は、行間を読むことも重要です。例えば「静かな環境」という表現が繰り返し使われている場合は、静かさが物件の特徴であると考えられる一方、「賑やかな地域にある」という表現があれば、騒音の可能性も考慮すべきでしょう。また、最新のレビューほど現在の状況を反映している可能性が高いため、特に注目すべきです。
レビューの数も重要な指標です。レビュー数が多い物件は、それだけ多くの人が利用した実績があり、評価の信頼性も高まります。逆に、レビューがほとんどない新規の物件は、過去の実績がないため、若干のリスクを伴うことを認識しておくべきです。ただし、新規物件の中にも優れたものは多いため、ホストとの事前コミュニケーションをより丁寧に行うことで、不安を軽減することができます。
「スーパーホスト」のステータスにも注目しましょう。これは、高い評価を維持し、キャンセル率が低く、レスポンス率が高いホストに与えられる称号です。スーパーホストの物件は一般的に品質が高く、トラブルが少ない傾向にありますが、新しくスーパーホストになったばかりの場合は、その実績をしっかり確認することも大切です。
ただし、レビューシステムにも限界があることを理解しておく必要があります。すべての宿泊者がレビューを残すわけではなく、特に強い不満を抱いたゲストは、レビューを書かずに立ち去る場合もあります。また、文化や期待値の違いによって、同じ体験でも評価が異なることがあります。
トラブル発生時のサポート体制
エアビーの安全性を考える上で、トラブル発生時のサポート体制は非常に重要な要素です。いくら事前に注意を払っても、予期せぬ問題が生じる可能性はゼロではありません。そのような場合に、どのようなサポートが受けられるのかを知っておくことで、より安心して利用することができるでしょう。
まず、エアビーには24時間365日対応のカスタマーサポートが設置されています。このサポートセンターは多言語対応しており、日本語でも相談できる体制が整っています。滞在中に問題が発生した場合、アプリやウェブサイトからカスタマーサポートに連絡することで、適切な対応を受けることができます。緊急性の高い問題には、電話サポートも提供されており、より迅速な解決を図ることができます。
具体的なトラブル対応として、「エアカバー」と呼ばれる保護プログラムが整備されています。例えば、以下のようなケースに対応しています。
- 物件が説明と大きく異なる場合(写真と実際の状態が一致しない、重要な設備が利用できないなど)
- 物件に入れない場合(ホストが現れない、鍵が合わないなど)
- 安全上の問題がある場合(衛生面の深刻な問題、危険な設備など)
このような問題が発生した場合、エアビーは代替の宿泊施設を提案したり、場合によっては返金対応を行ったりします。ただし、こうした対応を受けるためには、問題発生から24時間以内に報告することが一般的に求められます。また、写真や動画などの証拠を残しておくことも、スムーズな解決につながります。
ただし、エアビーのサポート体制にも限界があることを認識しておく必要があります。例えば、物件の近隣騒音や、主観的な不満(期待していたよりも狭い、雰囲気が好みでないなど)については、必ずしも返金や代替宿泊施設の提供が行われるわけではありません。また、対応の質や速度はケースによって差があり、特に繁忙期や大規模なトラブルが発生している時期には、サポートが遅れる可能性もあります。
エアビーの使い方は難しくない?手順を紹介

エアビーの利用プロセスは大きく分けて「アカウント作成」「物件検索」「予約確定」「ホストとのコミュニケーション」「実際の宿泊」の5つのステップで構成されています。それぞれのステップで必要な操作や知っておくべき情報を順を追って紹介していきましょう。
アカウント作成
エアビーを利用するための第一歩は、アカウントの作成です。ウェブサイトかスマートフォンアプリからアカウントを作成することができます。登録方法は非常にシンプルで、多くの人が10分程度で完了できます。
まず、エアビーの公式サイトにアクセスし、右上にある「登録」ボタンをクリックします。メールアドレス、電話番号、Googleアカウント、Appleアカウント、Facebookアカウントなど、複数の登録方法から選択できます。メールアドレスで登録する場合は、アドレスとパスワードを入力し、生年月日も入力します。
次に、個人情報の入力に進みます。名前(パスポートに記載されている正式な名前を推奨)、電話番号、緊急連絡先などの基本情報を入力します。これらの情報は実際の予約時にホストに共有されるため、正確な情報を入力することが重要です。特に海外での利用を考えている場合は、パスポートと同じ名前で登録することをお勧めします。
アカウントの信頼性を高めるために、身分証明書の認証を求められることがあります。これは任意のステップですが、認証済みのアカウントはホストからの信頼も高まり、予約が承認される可能性が上がります。運転免許証やパスポートなどの写真をアップロードすることで認証が完了します。
支払い情報の登録も重要なステップです。クレジットカード情報を入力することが一般的ですが、国や地域によってはPayPalやGoogle Payなど他の支払い方法も利用できます。予約時の支払いや、追加料金が発生した場合に使用されるため、有効なカード情報を登録しておくことが大切です。
最後に、プロフィールの充実も忘れないようにしましょう。自己紹介文や顔写真を追加することで、ホストがあなたについて知る手がかりとなります。
これらの手順を完了すると、エアビーのアカウント作成は完了です。基本的な情報の入力だけで利用開始できますが、プロフィールの充実度によってホストからの信頼度が変わるため、できるだけ詳細な情報を提供することをお勧めします。
条件指定で理想の宿泊先を探す
エアビーの物件検索機能は非常に柔軟で、多様な条件に基づいて理想の宿泊先を見つけることができます。基本的な検索から詳細なフィルタリングまで、効率的に物件を探すための機能が充実しています。
検索を始めるには、トップページの検索バーに目的地と日程、宿泊人数を入力します。目的地は国、都市、地区、さらには「〇〇駅周辺」といった具体的な地名でも検索可能です。日程はカレンダーから選択でき、柔軟な日程検索も可能です。宿泊人数は大人、子ども、乳幼児、ペットの数をそれぞれ指定できます。
興味のある物件が見つかったら、詳細ページで写真をじっくり確認し、説明文やレビューを読みましょう。特に「設備・アメニティ」「ハウスルール」「立地」のセクションは必ずチェックすることをお勧めします。また、キャンセルポリシーも重要な確認ポイントです。「柔軟」「適度」「厳格」の3段階があり、それぞれでキャンセル時の返金条件が異なります。
検索のコツとしては、最初から条件を絞りすぎないことです。まずは広めの条件で検索し、結果を見ながら徐々に条件を追加していくと、選択肢を見逃すことなく理想の物件に近づけることができます。
予約確定
理想の物件が見つかったら、次は予約手続きに進みます。エアビーの予約プロセスは、通常のホテル予約とは異なる点があるため、手順を理解しておくことが重要です。
まず、物件詳細ページの右側にある予約セクションで、宿泊日と宿泊人数を再確認します。次に「予約リクエストを送る」または「予約する」ボタンをクリックします。物件によって予約方法が2種類あることを知っておきましょう。
「予約リクエスト」方式では、ホストの承認が必要です。リクエストを送信した後、通常48時間以内にホストからの回答を待ちます。この間、他の物件も検討しておくとよいでしょう。一方、「即時予約」可能な物件では、ホテルのようにすぐに予約が確定します。初めての利用や急な予約の場合は、「即時予約」物件を選ぶと安心です。
予約リクエストを送る際には、ホストへのメッセージを添えることができます。このメッセージは非常に重要で、特に評価の高い人気物件では、ホストが複数の予約リクエストから承認者を選ぶ場合もあります。簡潔に自己紹介を行い、旅行の目的や滞在予定を伝えると印象が良くなります。
次に、支払い情報を確認します。表示される金額には宿泊料金だけでなく、クリーニング料金、サービス料金、現地の税金なども含まれています。特にクリーニング料金は物件によって大きく異なるため、最終的な合計金額をしっかり確認しましょう。また、一部の物件では敷金(セキュリティデポジット)が必要な場合もあり、これは問題なく退室できれば後日返金されます。
支払い方法を選択し、最終確認の後に予約を完了します。エアビーでは一般的に、予約時に全額または一部の前払いが必要です。長期滞在の場合は、月ごとの分割払いになることもあります。支払いが完了すると、予約確認メールが送られてきます。このメールは重要な情報が含まれているため、必ず保存しておきましょう。
予約が確定したら、物件の正確な住所と連絡先が開示されます。これらの情報は、エアビーのアプリやウェブサイトのメッセージセクションで確認できます。特に海外での利用の場合は、この住所情報を携帯電話などに保存しておくことをお勧めします。
予約後でもキャンセルは可能ですが、キャンセルポリシーに従って返金額が決まります。「柔軟」なポリシーなら、チェックイン前日までの全額返金が可能ですが、「厳格」なポリシーでは、予約直後以外の返金が難しい場合もあります。
ホストとやり取り
エアビーでの滞在をスムーズに進めるためには、ホストとの適切なコミュニケーションが欠かせません。予約確定後から実際の滞在、チェックアウトまで、様々な場面でホストとのやり取りが発生します。
予約が確定したら、まずは到着時間や鍵の受け取り方法について確認しましょう。エアビーのメッセージ機能を使って、ホストに以下のような情報を伝えておくと良いでしょう。
・おおよその到着予定時刻
・移動手段(飛行機、電車、車など)
・到着遅延の可能性がある場合はその旨
・特別なリクエストや質問(例:駐車場の有無、乳幼児用の設備など)
多くのホストは、チェックイン前に詳細な案内を送ってくれます。鍵の受け取り方法は物件によって異なり、直接会ってのやり取り、キーボックスの利用、スマートロックの利用など様々です。特にスマートロックやキーボックスを使用する場合は、パスコードや開け方の手順をしっかり確認しておきましょう。
到着予定時刻に変更があった場合は、できるだけ早くホストに連絡することが大切です。特に直接会って鍵を受け取る予定がある場合、ホストは到着時間に合わせてスケジュールを調整しているため、遅延や早着は速やかに伝えるべきです。海外での利用の場合、フライトの遅れなどは珍しくないため、ホストの連絡先を携帯電話に保存しておくと安心です。
滞在中に問題や質問が生じた場合も、遠慮なくホストに連絡しましょう。設備の使い方が分からない、何かが故障している、アメニティが不足しているなど、小さな問題でもすぐに伝えることで、ホストが対応できる機会を提供できます。多くのホストは滞在を快適にするためにできる限りのサポートを提供してくれるでしょう。
滞在終了が近づいたら、チェックアウトの詳細についても確認しておきましょう。鍵の返却方法や、チェックアウト時に必要な手続き(例:ゴミの分別方法、使用した食器の片付け方など)についてホストに確認しておくと、スムーズに退室できます。
入室から退室
実際の滞在においては、チェックインからチェックアウトまでのプロセスを理解しておくことが重要です。ホテルとは異なる手順や注意点がありますので、スムーズな滞在のために押さえておきましょう。
チェックイン当日は、事前にホストから通知された時間を守るようにしましょう。多くの物件ではチェックイン可能時間が設定されており(一般的に午後2時〜6時など)、この時間枠を守ることが重要です。到着が遅れる場合は、必ず事前にホストに連絡を入れましょう。
鍵の受け取り方法は物件によって様々です。一般的なパターンとしては以下のようなものがあります。
・ホストが直接物件で出迎え、鍵を手渡しする
・指定された場所(近くのカフェなど)でホストと合流して鍵を受け取る
・暗証番号式のキーボックスから自分で鍵を取り出す
・スマートロックを利用し、専用のコードやアプリで解錠する
物件に到着したら、まず全体をチェックしておくことをお勧めします。特に以下の点に注意して確認しましょう。
・設備の動作確認(エアコン、給湯器、Wi-Fiなど)
・アメニティの有無と場所(タオル、トイレットペーパーなど)
・安全設備の確認(火災警報器、避難経路、消火器の位置など)
・清掃状態の確認(特に気になる点があれば写真を撮っておく)
・ハウスルールの確認(騒音制限、ゴミ出しのルールなど)
問題や不明点があれば、すぐにホストに連絡することが大切です。多くの問題は早期に対応することで簡単に解決することができます。
滞在中は、自分の家のように丁寧に物件を使用することが基本です。エアビーはホテルとは異なり、多くの場合、誰かの実際の住まいや大切にしている物件です。基本的なマナーとして、以下の点に注意しましょう。
・過度な騒音を避ける、特に夜間は静かに過ごす
・設備や家具を丁寧に扱う
・エネルギーの無駄遣いを避ける(不在時はエアコンを消すなど)
・清潔に保つよう心がける
・ハウスルールを尊重する
長期滞在の場合は、定期的な清掃や消耗品の補充について事前にホストと相談しておくと良いでしょう。追加の清掃サービスが有料で提供されている場合もあります。
予期せぬトラブルが発生した場合(停電、水漏れ、鍵の紛失など)は、すぐにホストに連絡しましょう。深刻な問題で、ホストからの返答がない場合は、エアビーのカスタマーサポートに連絡することも検討してください。
チェックアウト時は、指定された時間(多くの場合は午前10時か11時頃)を守り、物件を適切な状態で残すことが重要です。一般的に以下のことが期待されています。
・使用した食器は洗って片付ける
・ゴミはホストの指示に従って分別・廃棄する
・使用したタオルやリネン類は指定の場所に集める
・冷蔵庫内の食品を処分する
・窓とドアの施錠を確認する
・エアコンや照明などの電源を切る
鍵の返却方法もホストの指示に従いましょう。直接手渡し、キーボックスへの返却、部屋に置いていくなど、物件によって異なります。チェックアウト後は、エアビーのアプリやウェブサイトからレビューを投稿することができます。滞在体験についての正直なフィードバックは、次のゲストの参考になるだけでなく、ホストの物件改善にも役立ちます。
エアビーで失敗しないためのコツは?注意点を解説

エアビーは従来のホテルとは異なるシステムで運営されているため、初めての利用では予想外のトラブルに見舞われることがあります。しかし、適切な準備と注意点を押さえておけば、そのリスクを大幅に軽減することができます。
ここでは、エアビー利用時のよくある失敗と、それを防ぐためのポイントを詳しく解説します。
レビューを徹底的にチェック
エアビーで失敗しないための最も重要なポイントの一つが、過去のゲストのレビューを徹底的にチェックすることです。レビューには物件の実態や滞在体験の質に関する貴重な情報が含まれており、写真や説明文だけでは分からない側面を知ることができます。
まず、レビューの数と全体評価を確認しましょう。一般的に、レビュー数が多いほど信頼性の高い評価と言えます。10件以上のレビューがあり、全体評価が4.5以上であれば、基本的には信頼できる物件と考えて良いでしょう。ただし、新規の物件はレビュー数が少ないこともあるため、必ずしもそれだけで判断すべきではありません。
次に、レビューの内容を具体的に読み込むことが重要です。特に最新の10〜15件程度のレビューを注意深く読むことで、最近の状況を把握できます。
レビューを読む際には、行間を読む姿勢も大切です。「まあまあ清潔でした」といった表現は、実際には清潔さに不満があったことを遠回しに伝えている可能性があります。また、同じ課題や問題点が複数のレビューで言及されている場合は、それが継続的な問題である可能性が高いため、特に注意が必要です。
ハウスルールの確認と遵守
エアビーでの滞在を快適に過ごすためには、各物件のハウスルールを事前に確認し、滞在中はそれを遵守することが非常に重要です。ハウスルールはホテルの規約と異なり、物件ごとに大きく異なる場合があるため、予約前に必ず確認すべき情報です。
ハウスルールは物件詳細ページの「ハウスルール」セクションで確認できます。ここには、チェックイン・チェックアウト時間、ペットの可否、パーティーの可否、喫煙ルール、追加ゲストの制限など、滞在に関する重要なルールが記載されています。これらのルールはホストによって設定されているため、物件ごとに異なる点に注意が必要です。
ホストとの連絡を取り合う
エアビーでの滞在を成功させる最も重要な要素の一つが、ホストとの適切なコミュニケーションです。予約前から滞在中、そしてチェックアウト後まで、ホストとの良好な関係を築くことが快適な体験につながります。
予約前のコミュニケーションは、物件が自分のニーズに合っているかを確認する重要な機会です。物件の詳細ページで不明な点があれば、遠慮なくホストに質問しましょう。例えば、以下のような確認が有効です。
- 特定の設備や備品の有無(例:ヘアドライヤー、アイロン、調理器具など)
- 騒音レベルや周辺環境についての情報
- 公共交通機関へのアクセスの詳細
- インターネット接続の安定性や速度(特にリモートワークを予定している場合)
- 特別なニーズへの対応可能性(例:アレルギー対応、バリアフリー設備など)
予約リクエストを送る際は、簡潔ながらも丁寧なメッセージを心がけましょう。自己紹介と旅行の目的、滞在中の予定などを簡単に伝えることで、ホストはあなたがどのようなゲストであるかを判断しやすくなります。特に人気の物件では、複数の予約リクエストから選ぶことがあるため、良い第一印象を与えることが重要です。
予約が確定したら、到着に関する詳細な情報交換を行いましょう。以下の点を必ず確認することをお勧めします。
- 正確な物件の住所と到着方法(公共交通機関からのアクセス、近くの目印など)
- チェックイン方法の詳細(鍵の受け取り方法、暗証番号、アプリの使用方法など)
- 到着予定時間の共有と、遅延可能性がある場合はその旨の伝達
- 緊急時の連絡方法(ホストの電話番号、代替連絡先など)
- 物件周辺の重要な情報(近くのスーパーマーケット、飲食店、公共交通機関など)
特に重要なのは、約束や時間を守ることです。予定通りに到着できない場合は、できるだけ早くホストに連絡しましょう。多くのホストは柔軟に対応してくれますが、連絡なしの遅延は大きなストレスをホストに与えます。特に直接会って鍵を受け取る予定の場合、ホストはあなたの到着に合わせてスケジュールを調整していることを忘れないでください。
チェックアウト前には、退室手続きについて確認するとともに、滞在中にお世話になったお礼を伝えると良いでしょう。小さな感謝の気持ちが、ホストとの良好な関係構築につながります。
チェックアウト後には、正直かつ建設的なレビューを残すことも大切です。良かった点はもちろん、改善点があれば丁寧に伝えることで、ホストの物件改善に貢献できます。
まとめ
エアビーは旅行の新しい選択肢として、世界中で多くの人に利用されています。ホテルでは味わえない現地の生活体験や、城からツリーハウスまで多様な宿泊施設、自炊設備を活用した長期滞在など、従来の旅行とは異なる魅力があります。
一方で、予約システムの違いやホストとのコミュニケーション、写真と実際の物件のギャップなど、初めての方が戸惑うポイントもあります。しかし、レビューをしっかりチェックし、ハウスルールを理解し、ホストと適切にコミュニケーションを取ることで、それらのリスクは大幅に軽減できます。
エアビーの利用を検討されている方は、この記事で紹介した注意点を参考に、ご自身の旅行スタイルに合った物件選びをしてみてください。ホテルでは得られない、その土地ならではの体験と思い出が待っています。あなたも次の旅行では、エアビーで新しい旅の形を試してみませんか?